「便潜血反応陽性です」と言われたら・・・

大腸CT検査(CT colonography)

CT装置
あおぞらクリニック CT装置

大腸CT検査は、内視鏡を挿入せずに大腸を診断する新しい大腸がん検査法です。

お尻から炭酸ガスを注入して大腸を拡張させ、新型のマルチスライスCT装置を用いて撮影することで、あたかも内視鏡検査を行ったかのような大腸3次元画像を得ることができます。

これまで主流となっていた大腸内視鏡検査と比較して苦痛が軽減されています。また検査もおよそ15分程度で終わりますので、検査のために一日休みを取る必要もありません。

大腸CT検査は歴史が浅い検査法のため、保険適応について厳しく規定され、経験の浅い医師によって安易な判断で検査を行うことがないように制限を設けられています。当クリニックは 2021年6月に日本消化器がん検診学会の大腸CT検査技術認定施設」に認定されました。大腸がん検診についてお困りな事がありましたら何なりとご相談ください。

大腸CT検査を受けるには

大腸CT検査をご希望される場合、まず受診して診察を受けていただく必要があります。(お電話で検査の予約をお取りすることはできません。)

保険診療にて大腸CT(精密検査)

健康診断や大腸がん検診の検便(便潜血反応検査)で「陽性」の判定を受けた方は、ほとんどの場合において大腸CT検査の適応となります。検診結果を持参して早めに受診してください。

便通に異常がある方の場合は、診察させていただいた上で方針を検討いたします。(症状がある方の場合、お腹の状態によっては大腸CT検査は禁忌となる場合もありますので、必ず診察が必要です。)

自費診療にて大腸CT(健康診断)

検便(便潜血反応検査)での異常や特に気になる症状が無い場合には、検診の目的で大腸CT検査を受けることが出来ます。この場合 大腸CT検査は、大腸がん検診における検便と内視鏡検査の中間的な位置付けだとご理解いただくと良いと思います。

「検便だけでは心配だけど、内視鏡検査を受けるのはちょっと嫌だな」とお考えの方には、大腸CT検査を数年毎にお受けになられることをお勧めします。

検診目的の場合、検査費用は 27,500円(税込) となります。(自費診療)

大腸CT検査の解説(長所・短所)

大腸がん検診(主に便潜血反応検査)にて陽性(要精密検査)の判定となった場合、これまで大腸バリウム検査や大腸内視鏡検査にて精密検査が行われてきました。これらの検査法と比較しながら大腸CT検査の特徴をご説明します。

大腸CT検査の特徴

  • タギングという前処置法を行うことにより、内視鏡検査のように大量の下剤を飲む必要はありません。残便があった場合でも判定が可能です。
  • 検査ではお尻から炭酸ガスを注入して行います。注入するのは気体ですから、癒着等で内視鏡の挿入が困難な方でも検査が可能です。また検査による大腸穿孔などの偶発症は極めて稀です。
  • 痛みなどの苦痛はほとんどありませんので、検査時に鎮静剤(眠り薬)は使用しません。検査終了後、そのままお仕事に戻ることも可能です。
  • 検査は短時間(約15分)で済みます。検査予約時間から会計終了まで 30分~1時間程度です。
  • 表面型病変や5ミリ以下のポリープを見つける能力は内視鏡検査に比べてやや劣っています。しかし、治療が必要となる6ミリ以上の隆起性病変では内視鏡検査と同等の診断能を持っています。
  • 大腸CT検査では、細胞の検査(生検)やポリープ切除などの治療をすることはできません。病変が見つかった場合には、後日改めて大腸内視鏡検査を行う必要があります。
  • 医療被ばくがあります。対策として、当院では通常のCT検査の1/3~1/2の低線量放射線で撮影を行っております。

当クリニックでの大腸CT検査の実例

患者さん 1

症例2 CTC画像
症例2 内視鏡画像



左:大腸CT画像 右:大腸内視鏡写真
大腸CT検査にて発見された進行大腸がん

患者さん 2

症例1 CTC画像
症例1 内視鏡画像



左:大腸CT画像 右:大腸内視鏡写真
直径6mmの早期大腸癌